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BE AT STUDIO HARAJUKU ARCHIVES

2022年3月20日~23日

トクトクトナルvol.1レポート

2022.04.08

Photo:仲川真由・太郎/TEXT:hiroco

まだ肌寒さも残る2022年3月、ダンスパフォーマンスプロジェクト”トクトクトナル”の公演がBE AT STUDIO HARAJUKUで4日間に渡って行われた。 4日間での動員数は400名以上。生でしか味わえない躍動感や感情がそこにはあった。 本記事ではその時の様子をご紹介したい。 イベント概要はこちら https://be-at-tokyo.com/projects/beatstudio/7882/

「心臓がトクトクとなるような素敵な時間を表現したい」
今回のプロジェクトの表題でもあるトクトクトナルは、
昨年10月某日、様々な公演を共にしてきた6人の何気ない一言から始まった。自由に表現することにルールを設けないからこそ、自身の表現の枠を超え、新たな表現との出会いからパフォーマンスを創り上げていく。実験的で、挑戦的なプロジェクト。そして毎日、全く違った内容で届ける1日限りのステージ。そんなことって今まであっただろうか?

ーDAY1 セッションを楽しむ

約3ヶ月に及ぶ準備期間を経て、”トクトクトナル”が幕を開ける。
キラキラとした鳥のさえずり、心地の良いベース、キーボードの音が会場を包み込む。

「バンッ!」
爆発するように始まる中西優のサックス。一瞬ドキッとしながらも、ライブならではの高揚感が溢れてくる。ダンサーたちが次第に動き出す。

踊りのスタイルも感性も表現の仕方もそれぞれ。イントロダクションでは、代る代る、5人がソロパフォーマンスを披露する。ビートを手がけるのはPaul.U(machine)、Shin(key/syn)、Kita(ba)からなるビートライブクルー、TOSH7。この日のために用意したビートはダンサーそれぞれの個性を彩る。そこに胸を打つ様なアルトサックスの力強さが加わるのだ。

TOSH7のジャズビートに乗せ、セッションが始まる。
ダンサーとバンドが一体となり、音楽を心で楽しむ時間。


思うままに
どんどん変化していくビートや、会場を駆け巡りながら楽しむ彼女たちに引き込まれる観客。



45分間の公演が終わっても、何故だか頭からビートが離れない。気付けばずっと浸っていたい、そんな楽しい時間を過ごしていた。

ーDAY2 感情を揺さぶる

暗い会場に暖かいライトが灯る。
2日目からはソロ公演がスタート。


準備から演出まで、1人1人がプロデューサーとして企画してきた。


アコースティックギターを手に取るのは高校生シンガーソングライターのLeina。
弾き語りから始まった2日目は、益田妃奈がプロデュースする。


Leinaの伸びやかな歌声と、ストレートでどこか切ない歌詞をダンスパフォーマンスにした2日目。昔感じたことのある恋愛の嬉しさや、悲しみ、全てを受け入れて前に進む強さを鮮烈に思い出す。どこかいつかの自分と重なるようで胸が締め付けられる。

ゲストダンサーには、益田妃奈が日頃から信頼を寄せるerika torithとkEnkEnが加わり、作品の世界観を創り上げる。
まるで長編映画をみるような、感情の動きが20分の公演に全て詰まっていた。


衣装:​​大縫理央

ーDAY3 原宿にいること

原宿といえば”ファッションが生まれる街”とよく言われるが、私たちにとっては、毎日ここで仕事をしたり、当たり前に生活する場所。
それでも、この場所で活動することに、何かしらのプライドがあったりもする。
そんな彼女たちのアイデンティティを3日目の公演にて表現する。


ファッションブランド”scai tokyo”とのコラボレーションとして始まったこの日は、HARUKAを中心とした仲の良いダンサー6名が集まりミュージカル風の演出を行う。
スタイリングはscai tokyoディレクターのRIKARINによるもの。カラフルでポップな衣装に思わず胸が弾む。

原宿にはオリジナルな感性をさらけ出しても受け入れてくれる風潮や居心地の良さがある。私が私らしくいるために、ここにいるのかもしれない。ファッションに出会って、恋をした。今もずっとその思いは、変わっていない。原点に帰る人もいれば、新たな出会いにワクワクを感じたのではないだろうか。


思わず「カワイイ!」と叫びたくなる時間。

<ダンスナンバー>
『へんてこりんパフェ』 / 紅林大空
『キリンが握るお寿司屋さん』/ 紅林大空
『恋する目玉焼きプラネット』/ 紅林大空
『なにしてみたい』/Meg Igarashi

ーDAY4 四季折々の表現を感じて

季節はもう春。目まぐるしく変わる日常の中で、季節はいつの間にか移り変わっていく。
春は、始まりの季節であり、どこか背筋がシャンとする。料理でも、春の食材は生き生きしてフレッシュだったりと、そんなふとしたときに春の訪れを感じる瞬間がある。


公演前に配布された「お品書き」には、今日の楽曲、中西優の手がける『クラリネットとピアノのための4つの季節』の曲が記されている。

ゲストダンサーのSanikaとMinoriの2人が踊り出し、始まったステージ。
そこに登場したフラワーアーティスト”KANYA NAKAI”が、無機質な空間を、チューリップや桜などでカラフルに彩っていく。

春の訪れと共に妖精のように喜びを表現していく児玉彩愛。季節は楽曲と共に変化していき、夏が来て、やがて秋に変わってゆく。その様子を身体で表現することは、抽象的なことのように思うが、猪野なごみの振り付けにより、何故かスッと私の中にも入ってくる。だから表現は面白く、尊いものである。

最後に1つのブーケが完成し「お品書き」が一通り終わった時には、心が満たされ、これからの季節に向けてワクワクしている自分がいた。


ダンスナンバー
『ふき』 / 中西優
『かぶ』/ 中西優
『とまと』/ 中西優
『たまねぎ』 / 中西優

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