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“花束Tシャツ&スカーフ”プロジェクト第3弾。ビジュアルアーティスト Takako Noel × LAND

2022.12.09

Photo:Shin Hamada / Text:Shogo Komatsu / Planned and Cooperated:me & you

心にゆとりをもたらす花。部屋に飾れば見慣れた風景が彩られ、その美しさで心を豊かにしてくれる。家で過ごす時間が増えた毎日に、勇気づけられた人も多いはず。そんな華やかな姿を、身に纏えたらーー。そんな思いからスタートした、気鋭の写真家とフラワーショップがコラボレーションし、花をテーマにしたTシャツとスカーフをリリースしていくBE AT TOKYOのプロジェクト。ラストとなる第3弾を飾るのは、ビジュアルアーティストのTakako Noelさんと、川村あこさんが手がける「LAND」。Takako Noelさんを迎え、今回の作品や、最近気になっている表現の手法についてなどを話してもらった。

メキシコ滞在が影響した花の写真。

今回のプロジェクトの写真は、どのように撮ろうと考えましたか?

Takako

最近、写真を撮る時に“生と死のコントラスト”を意識しています。お花って、“生”の塊みたいなものじゃないですか。咲くのは一瞬で、人間より寿命が短いからこそ、みんな綺麗に感じるんじゃないかなって思うんです。それと同時に、鮮やかに咲いている姿から、“死”の要素も強く感じます。それを強調するために、あえて他を排したブラックの背景で、お花を際立たせてみました。

“生と死のコントラスト”を考えるようになったのは、なにがきっかけですか?

Takako

このプロジェクトが始まる少し前まで、3ヶ月ほどメキシコに行っていました。そこで触れた死生観は、日本とは違う感覚だったんですよ。

たしかにメキシコの「死者の日」は、日本のお盆と雰囲気が違って、明るく楽しく過ごすと聞きます。

Takako

亡くなった方が生前に好きだったものを持ち寄って、お墓の前で宴会しながら思い出話をしたりするんです。黒澤 明監督の『夢』っていうオムニバス映画にも、お祭りみたいに賑やかに行進しながら葬儀をするシーンがあって。セレブレーションみたいに祝って送り出すのも素敵。もしかしたら日本も、本来の死生観は前向きかもしれない。そういう感覚があってもいいと思って、スカルだけどポップなイメージのオブジェを使いました。

Tシャツに、うさぎのスカルが用いられています。こちらは?

Takako

少し前、ガラスに興味があって、知り合ったグアテマラ出身のアーティストに、ガラスで作ってもらいました。

お花と相まってポップな印象です。

Takako

今まで撮ってきた写真は抽象的なものが多いから、ひと目でビジュアルコミュニケーションできるものにしたかった。意図したテーマがあったので、それを詰め込んだ感じです。

スカーフのほうはお花を散らしていますね。

Takako

スカーフは、少し抽象的に。もし宇宙でお花が咲いていたら、って想像してみました。見方によっては、お花が惑星に見えたり。最初はもう少し中央に寄せた案もあったんですけど、スカーフなのでどこで折ってもいいように配置しました。

サイズが大きくてアレンジしやすそう。

Takako

すごく気に入っています。(メキシコの)トゥルムに行ったら、布を巻いて洋服にしているお姉さんたちが素敵だったので、夏はこのスカーフをトップスとして巻いて着たいです。

今回は「LAND」の川村あこさんとのコラボレーション。どんな繋がりですか?

Takako

実は、このプロジェクトが初めて。たまたま雑誌で「LAND」のコンセプトを読んで共感していたのでご依頼しました。ホームページやInstagramにアップされている写真を見てイメージを伝えて、お花を準備していただきました。

表現は写真だけに限らない。

3ヶ月のメキシコ滞在はいかがでしたか?

Takako

ずっとダラダラしてました(笑)。現地で知り合った友達が運転してくれて、いろんな場所を回っていました。撮った写真を少しだけ現地で展示できたのもよかったです。

もともとは編集に興味があったそうですね。

Takako

写真に興味がなかったわけじゃないけど、どうやってフォトグラファーになるのか、職業として成り立っているのかさえも知りませんでした。大学生の時、ロンドンにある雑誌の編集やスタイリストを目指す学校に留学したんですよ。

そこで本格的にカメラを?

Takako

そうなんです。6人チームでひとつの雑誌を作る課題があって、わたしが写真担当に。

カメラを触ってみて、どうでしたか?

Takako

やっと長続きするものが見つかった感覚。他と違って飽きなかったんですよ。技術は置いといて、ずっと続けられることって大事ですよね。

当時と今を比べて、作風に変化はあると思いますか?

Takako

その時は20歳だったし、ロンドンのものが全部新鮮で、それをひたすら取り入れようと真似している部分が強かったと思います。でも最近は、昭和に活動していた日本の写真家の魅力に改めて気づいて、それから影響を受けることが多いです。

昭和の写真家。どういったところが?

Takako

例えば、細江英公さん。28歳で、三島由紀夫さんを撮った方。なんていうか……世界共通で感じる、魂を撮っているように思えます。激渋ですよね。

たしかに。ロンドンから帰国後、すぐにフォトグラファーとして活動を始めたんですか?

Takako

休学していた日本の大学を卒業して、セレクトショップで働き始めました。趣味の範囲で写真展を開催したら、雑誌の編集の方がいらっしゃってくれて、初めてページを持たせてもらえることに。

そこからフリーランスになったと。Takakoさんはフォトグラファーではなく、ビジュアルアーティストという肩書きですが、表現方法は写真だけではないということ?

Takako

そうですね。去年に開催した展示も、ガラスの作品もインスタレーションの一部として展示していたんですよ。立体的に表現するには、写真以外にいろんな要素が必要だと思います。

今、どんな表現方法に興味がありますか?

Takako

映像、ガラス、あと編み物にも興味があります。巨大なニットの球体を作って、展示会場にぶら下げてみたい。まあ、なんでもいいんですけどね。先日、静岡に行っていたんですけど、たまたま絵を描いている友人が詩を即興で読むパフォーマンスをしてくれたんです。まさに彼のように、なにをやってもいいと思うんです。そのときそのときの感情を大切に表現していきたいですね。

VISUAL ARTIST

1991年生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションに留学し、雑誌編集やスタイリング、写真を学ぶ。帰国後“Love and Peace”をコンセプトに、写真を軸にビジュアルアーティストとして活動を開始。モード誌からディスプレイ、MVなど、「写真」の枠を超えた手法で表現し続けている。
Instagram:@takako_noel(https://www.instagram.com/takako_noel/

LAND

川村あこが2018年に独立し、生花を取り扱うブランドとして「LAND」をスタート。イメージコンセプトは、「どこか遠く、名もない場所」。花束やアレンジメント製作を始め、ブランドカタログや雑誌で撮影スタイリング、店舗やイベントの空間ディスプレイなど、オーダーメイドで手がけている。さまざまな国の文化に影響を受けた、繊細かつ独特な色合わせが特徴。

Instagram:@land_akokawamura(https://www.instagram.com/land_akokawamura/

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BE AT TOKYOブランドとして定期的にリリースされるオリジナルアイテムの他、不定期で展開されるコラボレーションアイテムなどを紹介。