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TOKYO LOCALS

港区 / MINATO

ちょっと近いが一番たのしい

2021.07.17

Text:三浦えり

第8回 港区の森へ行く日

まだまだ梅雨の日々が続きますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。私は天気で体調や気持ちが左右されやすく、ここ最近の雨続きで体がだるいなぁという感じである。ただ、近頃は気持ちだけでも切り替えられるようにと、ご飯や音楽、銭湯、癒しのアイテムなど、自分へのご機嫌取りを見つけて生活に取り入れたりしてなんとか過ごしている。

そういった意味では「TOKYO LOCALS」は私にとっては救世主かもしれない。タイトルの「ちょっと近いが一番たのしい」という通り、気持ちも落ち込んで家でゴロゴロしてしまうところを、ちょっと近場で気分転換にと気軽に行ける場所が増えたのはありがたい。今まで訪れた場所すべてが帰り道に前向きになれたなぁと思える場所で、「TOKYO LOCALS」との出会いは本当に素敵な機会だったのかもしれない。

そんな風にふと振り返ったときに、大事なことを忘れていた。私が自然体でいられる重要な場所が「港区」にあるではないか……! 慌ててアポを取り、先週その場所へ訪れた。場所は赤坂、六本木ミッドタウンの後ろの緑豊かな公園を超えたところにあるその場所は「fragrance yes」。友人のアロマセラピストの山野辺喜子さんが代表を勤めるお店で、スキンケアやアロマ製品が置いてあったり、アロマトリートメントや整体を受けられたり、ワークショップができる場所である。お店以外にもフジロックの出店や、ミュージシャンの中村佳穂さんとコラボで練り香水の販売などの活動をしている。

喜子さんは「港区」を拠点にしつつ、日本のいろいろな森を訪れてその場所の木々からアロマを精製しており、お店にはたくさんの木や葉っぱ、アロマやアロマを抽出する機材がある。この日に訪れたときには、取ってきた木屑でお香を作れないかと試行錯誤して、失敗してしまったものがあり、私は普段から勝手に「喜子さんのアトリエ」と呼んでいる。魔女の宅急便のキキのお母さんの薬屋さんのようなアトリエが「港区」にあるなんて知らない人も多いはずだ。

このアトリエには全国の木の丸太や葉があり、「〜〜の場所で取ってきた木で命がけだったんだよ〜」なんてエピソードを聞くのが本当に楽しい。いろいろな場所の木々が「港区」に集まって、香りが生まれて、たくさんの人を癒す場所になっているのが素敵だなぁと思う。港区住まいの私にとって、なかなか森に行く機会なんてないけど、ここに来ると木々の香りと喜子さんの森の話で帰り道は緑に包まれたような気持ちで足が軽くなる。

ちなみに「yes」の意味は喜子さんのお約束の言葉で、プロダクトについて誰に何を聞かれても「yes」と答えられるようにという気持ちが含まれているのだそう。そんなわけで、いつもどこかの森にいる喜子さんなので、店舗はアポイント制になっている。気になる方はぜひインスタをチェックしてみてください。

それでは!

fragrance yes
https://www.instagram.com/fragrance_yes/

書き手

三浦えり

雑誌、webメディアを中心にフォトグラファーとして東京で活動中。ポートレートと季節を掛け合わせた写真作品を制作したり、社会課題へ写真で向き合うことに挑戦しています。趣味は美術館巡り、読書、音楽。

Instagram:@eripope
Twitter:@eripope
https://erimiura.com/

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