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Cultural Apartments produced by BE AT TOKYO
第16回目ゲスト:アーティスト DAOKO
© 2020 BE AT TOKYO.
TOKYO LOCALS
葛飾区/KATSUSHIKA
2021.07.20
「行きつけのお店ってどこかある?」
もちろんある。けれど不思議なもんで、そういうお店ほどいい意味で“普通”であるもの。
そのお店が「珍来」。昭和3年創業、90年以上もの長い歴史の間、大衆の胃袋を支えてきた老舗のチェーン店である。東東京、埼玉、千葉、茨城のみに店舗を構えている、まさにローカールチェーン店といったところだろうか。
僕と僕の地元の親友は、このお店とは切っても切れない関係にあるといっても過言ではない。節目のタイミングはこの店と共に過ごしてきた。個人的には、ひとり暮らしを始めるタイミングで地元を少しばかり離れることになったときにここで親友らと集まり、たらふく食べた日が印象深い。もうあれから4年の歳月が流れたと思うと早いものだ。
店内は基本的に繁盛していて、必ず一度は見たことのあるお客さんがいるもんだから毎回クスっと笑ってしまうが、いつもの感じだと懐かしくもなる。空いているタイミングで行ったときに案内される座敷が結構好きだ。
なぜこんなにも僕らがこのお店に魅了されているのか。一度来てもらえば、いや数回通ってもらえれば、その頃にはきっと虜になっているはず。何を隠そう、味とボリュームが折り紙付き。このコラムの第2回で青砥にある「やまぐちさん」を紹介した際にも、たしか僕はボリュームがどうたらと語っていたが、「珍来」のボリュームとは比にならない。大盛を頼むもんなら、間違いなく強者扱いされてしまうほどだ。
「肝心の味はどうなんだ?」と、心の声が漏れ聞こえてきそうだが、ここへきて「味はそこまで期待しないでください……」なんて言うはずもない。そんなことがあったら僕が黙ってない。味付けが抜群で、ラーメンをとってもチャーハンをとっても、旨いの一言。それ以上の言葉なんて必要ないと言っていい。
この日は肉野菜炒め定食を。箸を持った手が止まらないくらいに、次から次へと胃袋に運ばれていき、「やっぱり珍来は僕の中で“町中華の王道”だ」としみじみ感じて、久しぶりに親友らに「集合しようよ」と連絡を入れた。
書き手
DAI
葛飾区在中。普段は大学生として過ごし、BEAMSでアルバイトをしている21歳。休日は都内の銭湯に足を運んでいるか、グルメなお店を探しているシティボーイ。
Instagram:@bydai_suke
東京23区に住む人が、自分の区の情報を紹介していくブログコンテンツ。