SCROLL DOWN

TOKYO LOCALS

練馬区 / NERIMA

平沼久幸のイマとオモイデごはん vol.7 - 江古田周辺 -

2022.01.20

Text:平沼久幸

ピースとラムレーズン

なんでか知らないけど、レーズンに異様な執着が昔からあった。その呪いはいつしか消えることになるんだけど。
 母親はドライフルーツなどを好んで食べている記憶がある。あんずやプルーン、マンゴーなどきりがないのだけども、その中でもレーズンをよく食べていた記憶がある。理由はいまだにわからないけど、レーズンは家からきれたことがなかった気がしている。きっと母親のことだから、美味しいとかじゃなくて、トップスのカレーに乗ってたからとか、なんかあると嬉しいとかそんなことじゃないかと思う。

ある日、本物のラムレーズンアイスを作ってあげると言って、いつの間にかこしらえていたラムレーズンとレディボーデンのバニラアイスをパイントからすくってカップに乗せて出してくれたことがある。こういう何か見せたい時に100円くらいのカップアイスじゃなくて、レディボーデンのパイントを用意するあたりとか、なんというか喜ばせる術みたいなものは、いま振り返るとすごく見習うべきところだななんて思ったり。

 ラムに漬けたレーズンをのせたアイスクリームは、いわゆる市販のラムレーズンアイスとは比べものにならないときめきがあった。未成年ながら、酒はラムとティオぺぺだ!なんて思ったものだ。※当時飲酒経験はありません

大人になってから、色々レーズンバターやらラムレーズンものを食べたが、この時のラムレーズンアイスの感動に勝るものはいまだ一つしかない。

もしかしたら、大した味じゃなかったのかもしれないけど、いつまでたっても記憶に残るような感動をあたえてくれているし、それ自体を盛り上げるパイントで用意してくれたアイスとか、そういう子供を喜ばす術というのは、母親の優しさであり、プライドだったのかもしれない。
僕の今の年齢よりちょっと若い年齢でそんなことをしてくれたことが少し嬉しくなった。

西武線江古田駅北口から徒歩2分。小竹通りにピースはあります。

前回の山東餃子と同率の僕がこのエリアで行くお店が2つあって、その中の圧倒的に足を運ぶお店の一つです。ピースのご飯がなかったら、僕は緊急事態宣言を乗り越えられてません。

辛い時も、死にそうな時もここのご飯があったから乗り越えられた、必要不可欠な存在です。


正直、教えたくないお店でしかないし、食べログとかの評価とかじゃないお店。
若い時に行っていたらおしゃれー!って感じかもしれないけど、本当のお店の良さをわかるには、ある程度自分でお金稼ぐことで、内装のこだわりとか想いを感じれるようになると棒は勝手に思っています。

不定期で販売される、焼き菓子の中でもクリスマスに突如販売された、ブラウニーとラムレーズンサンド。こんなあっさりしたラムレーズン、でも濃厚で、存在感もすごい。もう教えたくない。ただただ、教えたくない。

あまり教えたくないので、写真少なめでごめんなさい。



PEACE
住所:東京都練馬区小竹町1-57-2
TEL : 03-5966-1567
営業時間:12:00 – 16:00 / 16:00-22:00
定休日:現在1時間に1組の事前予約営業になっています
詳しくは、LINEアカウント ピース(鳩のマーク)で検索してみてください

書き手

平沼久幸

イラストレーター。雑誌やファッションブランド、広告を中心にイラストを寄稿。クライアント・活動は多岐にわたる。ポップカルチャーを愛し、消費社会に対したアンチテーゼを込めた作品を発表する36歳。

Instagram:@hiranuma_hisayuki
Spotify:@バーサスレディオ

PROJECT TOP

TOKYO LOCALS

東京23区に住む人が、自分の区の情報を紹介していくブログコンテンツ。